先輩投資家の声

 原  靖人 様(前編)


原 靖人様は2009年商品さきもの投資家応援ナビ「先輩投資家の声」ご登場のいただきました先輩投資家です。

主な取引データ
取引歴  : 20年
取引手法 : 最初は対面取引、現在はオンライン取引
好きな銘柄: 小豆/大豆

原 靖人 様(前編)の概要
学生時代に海外の先物取引関係の書籍を多数読んで憧れていました。20年程前に、余裕資金のほとんどを商品先物取引に充てて取引を開始しました。
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Q1:商品先物という言葉を初めて知ったのはいつ頃ですか。
A1:学生時代ですから、30年以上前になります。1960年代の後半くらいから先物取引という言葉だけは知っていました。

Q2:なぜ商品先物取引に興味を持ったのでしょう。
A2:当時、商品先物取引に関する本や雑誌を読んでいたものですから、シカゴマーカンタイル取引所の熱狂風景に憧れていました。当時、海外では日本と違って興味を引く書物がたくさん出版されていました。今は日本でも出版されていますし日本人が書いた書籍もありますが、今から20〜30年前は読み物としておもしろいものはありませんでした。海外の書籍から得た商品先物取引のイメージは極めて良かったですね。

Q3:商品先物取引を始めたきっかけを教えてください。
A3:20年少し前、1982、3年からですね。たまたま余禄があったものですから、9割近くを商品につぎ込みました。株式ではなく、私が相場経験を持ったのは、商品先物取引が先でした。

Q4:初めての取引の成果はいかがでしたか。
A4:大損しました。ほどんとすってんてんに近い形でしたね。

Q5:実際に取引を行ってどんなことを感じましたか。
A5:本で読んでいたときの印象は非常に良かったのですが、実際に取引してみると大変だというのがよくわかりました。自分の理論値は絶えず外れるわけですね。当たるのは10回に1回もなくて、売りから入っても、買いから入っても、何をやってもうまくいかなかったですね。

Q6:当時の失敗談はありますか。
A6:営業マンの言いなりになった私も悪いのですが、次から次へと商品取引会社を変えても、相性の良い営業マンにひとりも出会えなかったことです。

Q7:その後、商品先物取引とどのように関わったのでしょうか。
A7:商品先物取引は「羮に懲りて膾を吹く」の例え通り、やらなくなりましたが、2006年夏から復活しています。

Q8:商品先物取引を復活した理由は何ですか。
A8:環境がとても良くなってきたからです。私が最初に取引した20年前は営業マンを通じての取引が中心でしたから、勧誘やおしつけがましい売り込みがたくさんありました。自分の資金を引き出したいと申し出ても取り合ってもらえないこともありました。長くつきあえばつきあうほど資産を失う。当時は確かにそのとおりになりました。今は自己管理。特にネットが普及してきましたから、セールスの勧誘がまずありません。それからうるさい雑音もないですね。昔は回転商いでしたから手数料目的で客に取引を勧めていたのですが、それが今はできなくなりました。完璧に自分でリスク管理さえできていればという前提ですが、今はうまく取引できる環境が整っていると思います。

Q9:投資環境の変化を知るにはどうしたらよいでしょうか。
A9:良心的な会社が持っている開設口座から様々な情報が発信されていますから、丹念に読むと昔とは全然違うということが即座にわかると思います。

Q10:これから商品先物取引を始める方へのアドバイスをお願いします。
A10:昔、私が失敗したのはいきなり投資してしまったからだと今でも自覚しています。資金を証拠金として入れるのは構いません。売りから始めるか買いから始めるかもどちらでも構いませんが、まずは1枚で始めるべきだと思いますね。いきなり2、3枚とか、勝てそうだからという単なるフィーリングだけで5、6枚にするとそういう感覚は後まで尾を引いてしまうものです。自分が買いから入ったにもかかわらず値が崩れて下がってきたときは、実はマイナスが現れているのですが、損を認めたくないためにさらに買いを入れたり、反対に売りでごまかしたりしがちです。すでに生じているロスとこれから始める取引の利益がまぜこぜになって感覚が麻痺してしまうのです。私はそういう過ちを過去何十回も繰り返して大損しています。まず初心者は1枚で勝負すること。多くても2枚。3枚はないくらいの心構えが大事でしょう。そして少しでも損が生じたら、6カ月後の限月までほったらかしにせず、かならず1カ月、2カ月で決済することが大切です。

Q11:商品先物取引を行うときに心がけるべきはどんなことですか。
A11:余裕をもって取引するということですね。仕事が手につかなくなるまでやらないことです。携帯電話で取引している人がいますが、絶対ダメだと思いますね。デイトレーダーで一日籠もって取引するともっと儲かるのではということも錯覚です。熱中すればするほど自分の意識のコントロールができなくなってしまいます。私は情報を蓄えたから勝てるというものではないと思います。逆に入り過ぎてわからなくなるものです。
私も所詮人間ですから期待値はあります。今は値段が下がってロスが出ても、少し立てば上がるのではないかと思ったりします。確かにそういう偶然もないわけではありません。たえず値段は揺らいでいますから。でもそれを待っていたら埒が明きません。負けは負けとして認めることが肝要です。私の絶対のルールは、1カ月以上2カ月以内でロスが続いているときは強制決済するということです。自分でささやかなルールを決めることを心がけてほしいですね。



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