書籍紹介
 
マスター・ブローカー(Master Brokers)について

マスター・ブロカーはジョン・ワルシュが優秀な先物ブローカー(営業マン)16人にインタヴューし、彼らの営業の秘密に迫ったものです。彼らは長年先物の世界で如何にして見込み客を開拓し、顧客にしていったか。彼らの営業方法や見込客に対する心構えについての意見は、新しい営業モデルを模索している人々にとり必ずや参考になる点が多々あると思います。以下に一部分をご紹介いたします。


書名:マスター・ブローカー(Master brokers) トップ先物ブローカーへのインタヴュー
著者:ジョン・ワルシュ(John Walsh)
発行所:先物教育センター



初めに
この本を手に取ると、16人のトップブローカーが如何にして、一番目の口座を開設するに至ったが分かる。
彼らは全員時間をかけ、彼らの考え、苦闘そして成功談を語ってくれた。この本は、彼らの物語を読者と共有し、経験から学んだ事を説明する。彼らが確信する忠告を与え、先物ブローカーとしての可能性について役立つ助言をしてくれるのである。
著者はこの著書のために如何にブローカーを選らんだのか。先ず地理的には米国に限定した。次に30人以上の業界のリーダーに彼らを本に登場させる事について聴いた。ブローカーを雇っている会社のリーダーにはどのブローカーを雇いたいかを聴いた。

注:リーダー達の会社からの候補は認めなかった。また自薦も受けつけなかった。

調査後100人以上を選抜した。選抜された彼らは、更に以下の基本的な基準をパスしなければならなかった。
1. 最低業界に10年以上働いている
2. 法令上の問題がない
3. 相当な数字を残している
4. 顧客を獲得し情報を提供する特別な処方箋を伝える意思と能力を有する
5. 一社にしろ複数にしろ会社に長く在籍する

20人のブローカーがインタヴューされ、16人が誌上に登場した。
インタヴューに答えた人達
1.Roy E.Abbott(ロイ・E・アボット、男)(Refco,Inc. Minneapolis,Minnesota)
2. Kim Barley(キム・バーリー、男)(Orlando, Florida)
3. Douglas E.Carper(ダグラス・E・カーパー、男)(J.C.Bradford & Co. Lincoln,Nebraska)
4. Hartley Connett(ハートリー・コネット、男)(Chemical Bank NY,NY)
5. Robert T.Conrardy(ロバート・T・コンラーディ、男)(Cargill Investor Services Chicago,Illinois)
6. Carol Dannenhauer(キャロル・ダネンハー、女)(Lind-Waldock & Company Chicago,Illinois)
7. Bill Gary(ビル・ゲイリー、男)(Prudential Securities Incorporated Okulahoma City, Okurahoma)
8.Ed Jernigan(エド・ジャーニガン、男)(Dean Witter Reynolds Inc. Brentwood, Tennessee)
9. Jonathan G.Krass(ジョナサン・G・クラス、男)(Palo Alto, California)
10.Michael Pacult(マイケル・パカルト、男)(Futures Investment Company Fremont, Indiana)
11.Shira Del Pacult(シーラ・デル・パカルト、女)(Futures Investment Company Fremont, Indiana)
12.Marshall J.Persky(マーシャル・J・パースキー、男)(Merrill Lynch Chicago, Illinois)
13.John Roach(ジョン・ローチ、男)(Roach Ag. Marketig,Ltd. Perry,Iowa)
14.Roy S.(Bucky)Sheffield(ロイ・S・バッキー・シェフィールド、男)(PaineWebber Incorporated Portland,Oregon)
15.Steve Solomon(スティーヴ・ソロモン、男)(Prudential Securities Incorporated NY,NY)
16.Stuart A.Vosk(スチュアート・A・ヴォスク、男)(PainWebber Incorporated Farmington Hills,Michigan)
                             所属会社はインタヴュー当時   

*質問と回答は抜粋したものであり、回答の括弧内の数字が上記営業の人々


*仕事を如何に開発し発展させたか

いろいろ違う方法で仕事を展開しました。先ず私は取引で儲けを出しました。これが仕事を築くのに一番だと思います。お客さんに儲けさせることができました。次に紹介をもらいました。(1)

  オレンジ郡でオレンジ・ジュース取引を始めました。生産者、加工業者からいろいろ教えてもらわなければなりませんでした。私たちはヘッジなんて知りませんでした。代わりに取引を教えました。トレーダーはヘッジではなく投機取引をしたがります。時間をかけてトレーダーを教育しました。ヘッジについて、ベーシスとは、市場機能についてです。よいブローカーが市場に参加する時にしようとする全て、をです。オレンジ・ジュースの専門家作りには大変寄与したと思います。しかし何も起きませんでした。大変なスタートでした。オレンジ・ジュースの商売が上向きになりうまくいくに連れ2、3人のブローカを雇いました。会社が私に管理職の地位を申し出たのです。(2)

  わたしが電話すべきあらゆる人、大手の生産者などの名前を書き留めました。創造的であろうとしました。23歳で真剣に挑戦しようと思いました。(3)

・・・・・商売上のファンダメンタルズはかなり理解していました。先物取引で如何に利益が出るかをうまく説明することができました。チャートを提供し回帰分析し取引の助けになるもの全てを提供しました。(4)

・・・・・相手に商品取引について興味あるかどうかを訊ね話し始めました。会社にはかなりよい調査部門があり、相手は会社名を知っていました。会社は豚の取引で有名でしたので。人々にとりわが社はまったく新しいものではありませんでした。1986年、他社に移動しました。(6)

ダラス支店に入社しました。支店でセミナーを開催することになりました。ダラス新聞にセミナーの広告を打ちました。しかし誰も来ません。後で分かったのですが、テキサスではセミナーではなくレクチャーというそうです。次からはセミナー/レクチャーで広告を出しました。20人が参加しその夜、3口座を開設しました。以降そんなことは二度とありません。(7)

各州の綿花農家と繰り糸業者に電話しました。また綿花商に電話しました。基本は人に電話して更にかけ続けることです。(8)

微笑みそしてダイヤルする。お金のためにダイヤルする。最初、自分は投資社会への神の贈り物であり人々は私に電話をくれると素直に思いました。勿論彼らは私のことを聞いたことがありません。電話は来ません。うまくいかなく、434ドル/月の手数料にまで落ち込みました。これはそのとき最低の給料でした。そして映画に行く代わりに仕事に行きました。セミナーやレクチャーで商売をし始めました。(9)

73年にセミナーを行いました。たまたま幸運でした。上司がセミナーの仕方を教えてくれたのです。セミナーが我々の商売を展開する上での支柱でした。(13)

70年代です。日本の穀物ビジネスを追いかけていました。スペシャリストのチームを作りました。穀物のスペシャリスト、CBOTのフロアー・トレーダー、気象学者などからなるチームです。そして私は見込み客や顧客に言います。同じ手数料で、机に座っている一人のブローカーの代わりにチームでお世話しますよ。私たちの商売は人のそれです。人が人をお世話するのです。(15)

広告で回答が来た人のリストを手に入れました。毎日事務所に行きました。朝7時から夜9時まで働きました。そして帰宅します。それから書類仕事をしました。数ヶ月そうしました。60人の顧客がいたに違いありません。でも皆さん小さなお客さんでした。(16)



* 新人のブローカー(セールスマン)が先物取引を勧める場合のアドヴァイス
  
一所懸命働く。誠実であること。商売のルールを学ぶこと。
・・・人に話しかける鍵は進んで質問することです。あなたが話したい見込客へは質問することです。誰かと取引するのにエキスパートである必要はありません。あなたができるとよいことは、彼が必要とするもの、調査結果をあなたが彼に提供できると彼に確信させることです。(1)
  
私は聴くことを学びました。単に人が私に言うことではなく、人が私に何を言わんとしているかを聞くのです。これには大きな違いがあります。(2)

  1)顧客を知ること。そうであれば顧客本位のサーヴィスを提供できます。彼らが必要としている場合、できるのであれば提供してあげる。できないのであればできる振りをしない。
  2)できるだけ市場を知ること。このことがよいブローカーと悪いそれに分けます。取引所で何が起きているのか注視しなければいけません。
  3)ストレスをためないこと。ストレスから離れること。肉体的に健康でなければなりません。活動的であることです。(4)

   鍵は自分が専門とする市場を取り上げることです。機関投資家、個人投資家いずれと取引したいのか。こういう範疇にも的を絞る必要があります。全てに手を出すことはできません。専門領域を確立したら誰をターゲットにすべきか、を決めます。私がこの道に入ったときターゲットにしたのは機関投資家でした。(5) 

   人を助けているという考えからアプローチするとよいと思います。ラスベガスのディーラーじゃなくあなたは取引を始めようとしているのであり、彼らのためによい仕事をすればよいのです。手数料のことは心配する必要はありません。確かに食べていかなければなりません。目的は純資産を増やし顧客との信頼を構築することです。さらに市場についてできるだけ知識を持つようになることです。いろいろなマーケット・レターを購読するとよいと思います。そんなに高価なものじゃないですから。マーケット・レターからよい考え方を得ることができたら御の字です。おかげで自信を持ってセールスできますよ。自信がなければセールスできないでしょ。もしあなたの会社でマーケット・レポートを出しているならそれを読んで研究してください。
・・・たとえどんなに悪いことでも真実を言うことです。自分のミスを認めることができない人はこの世界にはいられません。市場が顧客の思惑と反対に行っていて、ブローカーが価格を実際より1セント高く言う。それがその日1日の値動きの範囲であったとしてもその価格は早い時間の取引での価格です。それは真実じゃありません。彼には正しいことを告げなければなりません。(7)

  若いブローカーへ忠告することといえば、先ず顧客の興味について最優先することです、と言います。そして関係を築くことを言います。更にあなたの専門知識で影響を与えられる人々を見つけることです。彼等のためによい仕事をすること。それでよいのです。彼らの希望することをいつも気にかけている限り、彼らが見込みを、顧客を、更なる商売をもたらします。私は、見込み客つくりをこのように見ています。
・・・長期計画にたった計画を立てる必要があります。短期的な利益のためにその計画から外れないこと。常に顧客の目標を一番に考えること。長期にわたって一定期間それをやるとあなたはすばらしいブローカーのひとりになれます。(8)



* 見込み客作りについて

計画を立てます。どんな人を見込客にするかを決定します。よい方法としては、セミナーを開きます。地区のコミュニティで顧客や友人のような関係の人を集めます。私が彼らにいうことは、夕方、商品に関心のある人がいないでしょうか。例えば2、3人から数百人の前で話すわけです。
・・・ 話すテーマについて決めます。準備万端に。その話題についてよく知らなければいけません。質問に十分答えられるように。ほとんどの会社は調査部門があるので手助けしてもらうのもひとつの方法です。
・・・紹介。一週間に一度市場についてリサーチしたものを送付します。その後電話で反応をうかがいます。(1)

見込み客から顧客になってもらうのに5年かかったことがあります。見込み客に対し付加価値のある方法として用いたのが毎朝または必要なときファックスで取引についてのアイディアを送りました。取引と同様見込み客作りには辛抱が必要です。一方、口座についてはしっかり管理しなければなりません。顧客が望むのであれば、情報、アドヴァイス、チャートを提供します。私はいつも彼らの望みを満たすべく努力します。望んでいるものを見つけ出し、ライヴァル達よりお客様を満足させます。
・・・新人だろうがヴェテランだろうが、見込み客作りに役立つのが専門家になることです。専門家になればなるほど顧客のためによい仕事ができると思います。ブローカーはヘッジか投機かどちらかに集中すべきだ、と思います。ヘッジまたは投機についての手数料については心配する必要はありません。手数料は成功に付いてくるものだからです。(2)

  もっとも顧客にしたいと思う人、関係を持ちたいと思う人を目標にします。そしてそれに集中します。大きな会社でなくてもいいのです。現在先物市場を使ってなくてもいいのです。でもすぐに市場を使うようになり、使うべきになります。ターゲットにした人を下調べします。彼らの言葉で話せるようになるまでできる限り勉強します。そして彼らの仕事に関連付けて市場について話します。
・ ・・引け後、見込み客のために市場についての特別な記事を作成します。
・・・見込み客は多くの異なるブローカーを評価し、誰と付き合うかを決定するのです。 見込み客は問います。あなたは私たちにどんなことをしていただけるのですか。
私たちブローカーは聴きます。私たちに何をしてほしいのですか。あなたにとって何が重要なのですか。何を手助けすればよいのですか。あなたの必要なものは。
・・・大きな会社を見込みにしていました。1年近くなっていました。その会社は1社のブローカーとしか取引していません。その関係は大変に強固なものでした。そこで私は会社の主席トレーダーと仲良くなりました。彼が私の住んでいるNYに来るので食事をしないかといってきました。私は口座書類について話す用意ができていました。でも彼は口座を開設することはできない、といいます。今、取締役会で口座を開設する理由を説明できるほどの正当なそれをあなたから説明してもらってない、といいます。私はショックでした。何が問題なのか私には分かりません。手数料だって安いし、サーヴィスも負けない。そこで私は彼に手紙を書きました。再考すべき理由をひとつづつ全て書きました。そして、以上のことから口座を開設しない理由は見つかりません、もし理由があれば教えてください、と結びました。手紙を出して三日後、電話がありました。再考した、書類を送ってくれ。手紙に何か魔法があるわけではありません。思うに、あきらめないってことです。決してあきらめるな、です。
・・・最初の頃は紹介を頼みませんでした。でもやるべきでした。ブローカーは頼むべきですよ。あまりしつこくするのはいけませんけどね。お客様と関係がうまくいっている場合はお願いしないほうがいい場合もあります。でもたまにはお願いします。特に顧客の取引がうまくいっているときは。でもお客さんって助けるのが好きみたいですね。(4)

ネットワークを使い、人に会うこと。ひとつの方法は業界の会議に出る。または業界内で積極的に活動する。例えば取引所。各委員会の委員になれば人に会えます。いろんな人に会うだけでなく知識が増えます。
・・・ブローカーは顧客にどのように利益を与えられるかを理解する必要があります。彼は自分が提供する利益がどのように見込み客の望みに合うかを理解する必要があります。(5)

口座の大小にかかわらず、先ず、見込み客の希望を確認しなければなりません。見込み客の皆さん、自分は特別だと思っています。特に何が必要ですか。どんなチャートが必要ですか。フロアにアクセスしますか。時間外取引はどうです。一度見込み客の特別な希望がわかれば口座の開設は大変に楽になります。実際見込み客の希望を知らないうちは何物も売ることはできません。それが販売の基本です。
・・・いつも紹介者を頼みます。私はお客さんに、私の商売の多くは紹介ですといいます。全てのお客様をお世話し、一所懸命サーヴィスに努めますといいます。人は誰かを手助けしていると感じるのが好きなのです。これは大切なことです。(6)

常にもうひとつ踏み込むこと。まだあなたが新人であれば人はあなたが答えられないような質問をしてきます。我々のために働いてくれる人には次のように言います。答えが分からない質問には回答しないこと。質問者へは答えを見つけるように努力すると言いなさい。そして正しく回答することです。これは顧客によい印象を与えます。顧客はあなたが答えを得、あなたに回答するために努力をしたという印象を持ちます。最悪なのは、あなたが返した回答が間違っていることです。
・・・ 私の仕事のやり方はマーケット・レターを見込み客作りに利用します。無料のマーケット・レターを見込み客に送り、その結果彼らが機会を与えてくれます。また見込み客に対し、たとえば、豆を知っていますか、の見出しがついたチラシを送付します。チラシには見込み客が更なる質問ができるようにスペースをとっておきます。そこに電話番号があれば電話が欲しいのだと分かります。そのときはマーケット・レターや口座開設を売り込んだりする機会です。
次に、キャンペーン・トレード(CT)を展開します。これはファンダメンタルズとテクニカルズで長期的に行うものです。3ヶ月から6ヵ月。どのように取引するのか、取引が成功すれば儲かる可能値、もし失敗であれば損失可能値を提示する報告書を用意します。報告書を過去と現在の顧客、そして見込み客に送付します。
CTについてもう少し詳しく言います。最初にチラシを送付し、見込み客に、予期されるリスクと利益についてバランスの規則に従うことを確認します。チラシにクーポンを入れ、無料のレポートの提供を申し出ます。レポートには、我々がいかにして結論にたどり着いたのか、分かるように価格と基本チャートと一緒に、取引についての経済分析を掲載しています。また、先物、オプションを使って長期の観点からいかに市場にアプローチするか解説しています。再度、利益の可能性と同時にリスクについて指摘するのを心がけます。彼らがCTの報告書を要求してきたら、二回目の回答を期待してクーポンを同付します。二回目の回答が着たら、これは期待が持てます。(7)

セミナーの開催について地方紙に広告を出しました。セミナーには平均10人から15人集まりました。7:30pmから9:30pmまで2時間ほど行います。無料です。セミナーで商売を築くには、継続することです。大変です。ほとんどのブローカーはあまり努力しようとしません。
・ ・・セミナーの後、一週間に一度、それを三週間、何かしらメールします。私は例えばこう、言います。投資のことでお手伝いできることがありますか。また、紹介者を頼みます。セミナーに参加したいという人をご存知ありませんか。
・ ・・・紹介が最もよい見込みです。実際、面会する多くの人が見込み客になるかもしれません。そして多くの投資家にとって商品取引より商品ファンドの方が適正なものです。(9)

私の経験からお話します。南カルフォルニアで行われた大豆の会議に参加しました。その日は土砂降りでした。私は天蓋の下でタクシーを待っていました。他の人が来て私に話し始めました。タクシーを待ちながら、私たちは20分も話したでしょうか。私たちは名刺を交換しました。彼は大手の食料会社の社長でした。彼は私に彼と付き合いのあるヘッジャーを紹介してくれました。しかし、私たち(私とヘッジャー)はそれから2年間は仕事でのお付き合いはありませんでした。一日に一回電話をしました。それから一日に二、三回になり、三回以上になりました。忍耐強く情報を提供するため電話をしました。最初の取引をありありと思い起こすことができます。というのも、ほとんど六ヶ月の間他のヘッジ取引はありませんでしたから。彼らは私の会社で小さな口座を開きました。私をテストしたのです。このテストの期間後、私は彼らの最も大きなブローカーの一社になりました。二、三年後同じ社長から電話をもらいました。彼には先物の商売をしたいというイラン在住の顧客がいました。あの天蓋の下に立っていた結果、私は長い間顧客になっていただいた大手の農業に興味を持っている人に出会い、二十年以上も私の顧客であるイラン人に出会ったのです。今や商売仲間であると同時に親友です。それでブローカーは一体どのくらいの間、見込み客にすべきなのでしょうか。最初の口座を開設するのに二、三年以上も何百回もの会話を重ねました。私は忍耐強いのです。人は押しの強い人を嫌うものです。彼が本当によい見込みかどうかについては常識で判断する必要があります。(12)

どんな顧客をターゲットにしているのかを明確にする必要があります。投資でもっとリスクのあるものでもするつもりのある人がいいのか。現物に興味がある人を求めているのか。もし投機家と始めたいのなら、商品取引で損を覚悟の人にアプローチしなければなりません。そしてどのくらいの金額を損してもよいのかをはっきりさせ、取引する時に気をつけるようにします。人に説明しなければならないことは価格が大きく振れることです。人によってはそれを嫌がる場合があります。そういう人は先物取引に向きません。
・・・私はテキサスで育立ちました。石油業界の人は大きなリスクを取ります。自分の仕事の領域でリスクを取る人は一般的にリスクを取るのに相応しいと、思います。彼らは商品取引のリスクに順応できます。確かに取引をうまくやる知性を持った人はいます。(14)

儲けの話の前にリスク・コントロールとお金の管理について話します。見込客は最初に全てのマイナス面を知らされなければいけません。(15)

見込客作りをやめないこと。何年も見込みにしていて、それ故惨めな時間をすごしています。市場が良くなく顧客を失いました。見込客供給ルートには何もありません。手数料は落ちます。それでも一番のブローカーをめざして仕事をし続けます。
・・・喋ろうとすることについて一定程度のレヴェルが必要です。つまり自分が売る物についてよく知ることです。私が見てきたブローカーの多くは、製品をよく知らないまま物を売っていました。調査もしないで、それを誰かに任せています。ブローカーも調査すべきです。述べるものについてよく知るべきです。自分が説明するものについてよく知らないままセールスしているブローカーが多いのは問題です。(16)



* 口座・顧客の管理・サーヴィス法

口座は各々サーヴィスの程度が違うので、顧客が何をほしがっているのかを理解し提供します。ある人は何回も電話をほしがるかもしれない。顧客を知らなければなりません。彼らが何を必要としているのか。何を要求しているのか、そして、それを提供するのです。単純なことです。(1)

 お客様が困っているときこそ話し続けるべきです。その時こそ、顧客はあなたの助力をもっとも必要としているのです。サーヴィスするというのは顧客に建玉について、執行した取引についてすぐに情報を伝えることです。要求があったとき口座の証拠金状況を直ちに知らせることです。もし、顧客の売買確認書が翌日訂正すべき内容であった場合、翌日取引が始まる前に、顧客が間違いを発見する前に価格の訂正があることについて電話をします。追証になったときブローカーは連絡取りづらい、と思うのです。すぐに追証がかかっていることを告げましょう。そうすれば建玉を事前にどうするかの対策を講じることが可能です。(3)

顧客について知ることを許される範囲で知る必要があります。
・・・多くのことを単純に正しく行い、そして時間通りにです。(4)
  
よいサーヴィスとはいろいろなことからなっています。先ず、顧客に尊敬の念を持つこと。正確でタイムリーな情報を提供すること。自分が顧客にとって頼りになること。あなたがそこにいることで彼らは頼りに思います。もしあなたがいない時は同僚を代わりに。我々はチームで仕事をしているわけです。同時にこの業界は、肌が合う、合わないという、個人的なことも重要です。
・・・成功するために、価格は安いほうがいい。でも顧客の希望に合うものを提供するのが成功すると思います。私は自分のやっていることに満足しています。私は市場のことを知っています。市場に関して持っている知識と技術に満足しています。この道に入ってくるブローカーは先ず、この満足レヴェルを構築する必要があります。市場については多くを学ぶことで満足レヴェルに到達します。それは楽ではありません。努力が要るし時間もかかります。ほとんど知らないものをセールスするのは不可能です。少なくともほとんどの人はそうすることに不安を覚えます。(5)

  顧客第一。全てはこれに行き着きます。(6)

あまり大きな口座を開設しようとは思いません。5,000ドルぐらいが商売する上で効率的なのです。私たちは小さな、新しい口座で儲けようなんて思いません。初期コストをカヴァーしたいだけです。新規顧客が儲ける機会は3回あると思います。3回の取引で儲けられなかったら多分口座を失ってしまいます。一方最初の3回のうち1,2回目で儲けたらそのときは5、000ドル以上の価値の口座を持つことになります。うまく顧客が儲かったら紹介を頼みます。そして商売を広げ構築していきます。
・・・チャートが欲しいといえばそれを差し上げます。顧客が政府報告書を希望し、それを我々が持っていない場合、取り寄せてあげます。もうひと努力するわけです。我々の目的は顧客を訓練し、証拠金を維持し、長く取引でき、年に1、2回本当の機会が来たときに取引できる金を持っている、ことなのです。(7)
  
我々の哲学は、お客が一番ということ。我々が何時も努力することはお客にとって一番よいことをするように努力し、彼がして欲しいことについて何時も気にかけることです。
・・・口座を開設しようとする前に、調査をします。何を扱っている会社なのかどんなヘッジの必要性があるのかを研究します。会社についていろいろと調べます。勿論われわれに何を求めているのか、必要なものは何かを訊ねます。例えば、彼らが不適切な方法でヘッジ取引を行おうとしているのであれば、我々は違う方法で行うべきことを彼らに告げます。彼らを言い負かすわけではありません。彼らを侮辱しないよう気をつけます。確かに、彼らが不正確なヘッジ法をやろうとする場合、我々は正しい方法を示すことができます。しかしそれでは関係を構築できません。傲慢さなしに正しくするのを手助けできるとよいわけです。(8)

  顧客が望む情報を提供します。たとえ望まなくても必要な情報を提供します。例えば、個人の投機口座の場合、何を聞けばよいのか分からない場合があります。彼らのために質問をしなければならない場合があります。このことで信頼が生まれます。この手助けが驚愕や問題を回避します。彼らが欲しいものを聞きそしてそれを与える。口座を管理するとはあなたとお客様にとって大切なものを関係付けることです。彼らが望み、必要なものを提供すること、たとえそれを分かっていようが、いまいがです。(14)

顧客というのは電話のベルを5回以上聞きたくありません。さらに何か他人とは違ったものを欲しがります。二人と同じ顧客はいません。ある顧客にとって大切なものは次の顧客にはそうではないことがあります。あなたは全ての顧客に彼らは特別だ、と感じさせなくてはなりません。個々の必要に応じた管理をするようにします。自分が管理できる領域ではできるだけプロに徹しなければなりません。書類が正確であることは大変に重要です。書類上の誤りは精神的にも肉体的にも消耗します。間違いは許されないし、言い訳は利きません。私たちは一所懸命やり、顧客は我々が懸命なのを理解します。顧客は公平さを感じるものです。顧客から多額の手数料をもらっているのにお粗末なサーヴィスであれば合いません。(15)

いつも顧客とお話するようにしています。たとえ取引について何の意見がなくてもです。元気かどうか確認するために電話します。口座を気にしているし、彼らも私を気にしてくれるのがわかります。一年のうち6ヶ月は取引して残りはほかの事で忙しいので取引は、なしです。農家で忙しいのです。ちょっとおしゃべりするだけです。
・・・彼らを教育します。お客さんを教育するのが好きです。私が使っているシステムとか技術などをです。教育することで彼らは私がやっていることを理解します。書籍を推薦します。たまに書籍を購入し送付してあげます。違うシステムについて話し合います。それらの多くはコンピュータに入力します。顧客の多くはコピュータのソフトに慣れているのでチャートを一緒に見ることができます。(16)



*誠実さについて

この商売では100%誠実でなければいけません、これは私の信念です。近道はありません。もし、ブローカーが嘘をつくのを捕まえたらクビです。顧客への間違いは直ちにあなたがかぶらなければなりません。間違いは自身の責任です。
・・・顧客に、自分が知らないことを知っているかのようにいう、もしくは知っている以上のふりをする。これはダメです。これに対して私は次のように対処します。知らなければ、あなたの知りたいことについて知りません、と言います。でも回答を探し出す努力をします。ある日あなたが誰かに嘘をつくと次の日また嘘をつかなければならなくなります。(1) 
  
  概して人々はこの商売について疑うような気持ちでいます。そこで彼らから信頼を得る必要があります。信用を得るには時間がかかります。関係を構築する中で彼らに話したり、彼らの言うことを聞いたりすることで信頼を得るようになります。(3)

  誠実さは最も重要なものです、特にこの商売では。正直さというのはルール通りに行うことです。(4)

  誠実さは見込み客がもっとも印象に残るもののひとつだと思います。私はいつも誠実ですよ。それで、窮地に落ちることもありますが。私が真実を言えば、お客さんからの言葉は否定的な調子を相殺して積極的なものでが帰ってきます。人が私とまだお付き合いをしてくれるのは悪い時期もよい時期もあったからだと思います。我われは年に2、3回だけよい取引ができると正直に言っています。(7)

  誠実さは人の性格の基本です。最も重要なものです。人生は、不誠実であることで複雑にしなくても、十分にやりがいがあります。私は不誠実な人とは取引しません。そんな時間はありません。彼らのために思い悩みたくありません。われわれの商売で、不誠実というのは悪いニュースを運んでくるのです。先物取引につきもののリスクについて及び最高のトレーダーであっても20%しか当たらない、ということを話し始めたときから適切に顧客に教育したのですか、という質問に戻っていくのです。あなたが仕事を正しく行ったのであれば、顧客に電話してニュースを言うのを恐れる必要はありません。誠実さに程度なんかありません。難しいことではないのです。(10 商品ファンド)

  私の世界では、顧客に対して完全に誠実でなければ成功しないと思います。
・・・あなたの見込み客や顧客はあなたの誠実さを尊敬し、彼らの信頼を保障するような清廉さを感じるようであれば彼らはあなたを更に信頼すると思います。(14)

  誠実であることは重要です。さらに顧客は不誠実さを見破ります。私は、はい、というよりいいえ、という取引が多いのです。多くの回数、顧客は電話をかけてきて言います。いま、何々が起きているとのニュースを聞いた。なぜ金(きん)を買わないの?それは私にとっては確実に手数料になるのです。でも私はそうすべきではありません。注文を勧めることすらすべきではありませんでした。しかし取引したくないときはノーといいます。先ず、それをテレヴィで見たのなら、それはもう多分遅いのです。それを誰から聞きました、夜のニュースで?いい取引だと感じたら私は彼らに電話します。彼らもそう思います。私は単に取引を売り歩く男じゃありませんから。(16)



* よく聴くという事・よい聴き手であるために
  
もしあなたがよいセールスマンになろうとするなら、よい聴き手にならなければなりません。全てはこれにつきます。彼が何を欲しがっているのか、そして彼がよい見込み客なのかどうか、を決められるように見込み客のいうことを聴かないうちは口座を開くことはできません。
・・・聴けばいいんです。彼らが教えてくれます。どの程度の世話をしたらよろしいですか。どのような情報をお望みですか。30分ごとに電話を必要としますか。重要なことが起こった場合だけでよろしいでしょうか。何がほしいのかを考えをお聴かせてください。
・・・先ず、他人というのは知識があって、耳を傾けるにたる存在だと思もわなければなりません。ブローカーの中には何でも知っていて聴く必要はない、という態度の人がいます。私はそんなに賢くないので人の話を聴いて学ぼうと思います。聴くだけで実に多くのことを学ぶことができます。ブローカーは顧客が話しするのを止めるべきではありません。自分の口を閉じ、顧客に喋らせなさい。質問をし、答を聴かなければなりません。(1)

ブローカーというのは顧客に何かを与えると考えられています。何か鋭いものをです。若い頃私はもっと攻撃的でした。そこで態度を改めざるを得ませんでした。というのは私は顧客のパートナーになりたいと思いました。エゴの問題を解決するために、一致を見るために次の言葉を考え出しました。今日考えたことについて分け合いましょう。彼らが先ず、と望めば彼らを優先します。相手のことを先ず聴けば、こちらの言うことを聴いてくれる機会もあります。そんなに強く自分の主張を通すものでもないでしょう。(2)

お客様は彼らの商売について私がかなり知っているなと気分よく感じたら心を開いてくれることを、私は発見しました。彼らは私がそこそこのレヴェルで話せると分かりますが、私が専門家でないことを理解するでしょう。私はそこで働いて時間を過ごしたのではなく、時間は学ぶために費やしただけに過ぎないからです。こうして提供したい業界の知識を得ることになります。(4)

人は常に自分自身のことを語りたいものです。彼らを気分良くさせないといけません。質問をし、回答を聴きます。ブローカーが、お客の子供について聞くのを見たことがあります。誠実に、子供について本当に興味を示すようにしなければなりません。私は、娘がここで一緒に働いていることをいいます。個人的な情報を得ると、彼らはあなたに打ち解け友人のように感じます。彼らの友人になりたければ、誠実でなければなりません。
・・・ゆっくりしゃべる。私は、見込み客に私が急がせている、と思われたくありません。(7)

聴くというのが鍵です。あなたに見込み客の言うことを聴く時間が十分にあれば、彼は自身を売るようになります。つまり、見込み客というのはとにかく彼らのしたいことを心に秘めています。もしあなたが彼らの言うことを聴くだけで彼らは必要なことをいいます。そこで彼らの要求をどのように満たすか示せばあなたは仕事を得ることになります。これが、彼らが何時もすべきこと、とあなたが考えることをあなたが彼らに代わって言ってあげることなのです。あなたは顧客の言うことを聴く必要があります。彼との関係を構築すれば、構築するには数多く聴く必要がありますが、あなたが何時も彼に何かをセールスしているのではないことを顧客が理解するようになります。(8)


あまりしゃべりすぎないこと。これが鍵だと思います。この商売に秘訣があるとしたら、これです。聴きなさい。賢い質問をするために聴きなさい。彼らのいうことを予想しなさい。もし聴くことができたら彼らを顧客にできます。(10 商品ファンド)

私はよく、今でも時々ですが、よい聴き手でないという問題がありました。推定ゲームのように、電話の相手方に頭のよいことを見せるために、相手の質問を予想するところがありました。顧客が自身の考えを言い終わる前に私がしゃべってしまう。この商売の目的は、他の商売でも同じですが、他の人に、その人が賢いということを示す機会を与えるものです。加齢や経験をつんで私もよい聴き手になり、従ってよいコミュニュケーターになりました。彼らが何を話そうが私は聴こうと努力します。多くの回数、ブローカーは聴罪司祭になります。仕事に無関係な沢山の話を聴きます。このような場合、たとえ実際商売上で忙しくても、聴くために電話をかけ直さなければならないかも知れません。(12)
 
私は時々他人の話をさえぎることがあります。見込み客に質問をします。見込み客が回答し始めると、私は彼らがしゃべることが分かるような気がして助け舟を出すように喋り始めるのです。でもこれは完全に間違っています。そうすべきではありません。一番いい方法は聴くために質問することです。回答を得て更に質問します。見込み客を知るまで質問し続けます。このようにすれば彼がいい顧客になるかどうかを知ることができます。
・・・見込み客は言うほど金がなかったり、先物のリスクに耐えられなかったりということが分かります。彼には多分問題があったかもしれません。損を自身ではなくほかの人のせいにしたり、自分の行為に責任を取らなかったりする、というような。(16) 



*規律(訓練)について

私にとって規律というのは基礎的なルールに従うこと、顧客の要求を満たすためにリスク管理をすること。他に規律はスケジュールをきちんとこなすこと。(3)

  規律というのはトレーダー同様ブローカーにも当てはまるのです。先ず日々の業務をきちんとこなさなければなりません。そして月次で目標を設定し目標を再検討し評価する。そこでブローカーは仕事に集中する規律が必要です。社交的であるとか社内政治のことは忘れるべきです。これらは多くの人にとって大変なことですから。
・・・お分かりのようにこの商売で金儲けのシステムはたくさんあります。しかしシステムに従うよう訓練されていないためにシステムを使って金儲けする人がほとんどいないのです。システムに従えばシステムが金儲けさせてくれるといっているのではありません。もしあなたが規律のある人であり利益の出そうな資金管理システムに従うことができると、わたしが思うにあなたは多分あなたの利益の出る機会を飛躍的に増やすことになります。(6)



*ストレスの解消法

   先ず健康でなければいけません。活動的になるべきです。事務所を出る時、仕事のことは事務所に置いていきます。家に帰ったら自分の生活を楽しむ。家族と楽しむ。例えばバスッケトをする。自分のやりたいことはなんでも。できるだけ健康な方法でストレスを開放するようにします。(4)

   たまにひどいときがあります。悪い時期にあたると何もしたくなくなります。しかしそれにひるまずにいると、そこから脱出できます。最初にそのような悪い時期に遭遇すると大変です。顧客は叫んだり、大声をあげたりします。頭にきているわけですから、当然です。彼らは誰かに当たらなければならない。しかし、こっちの自尊心はぺしゃんこですよ。災難直後、1日かそこいら、怯まないでいなければなりません。いくつかの口座は閉鎖されます。半分は分からない.四分の一は私とでも大丈夫かもしれない、と思い、そして彼らは長く付き合ってくれます。2、3日後、彼らに電話します。彼らに叱られる機会を持つわけです。悪い市場に捕まったことについて謝ります。でもその返答がおかしいのです。そんなに深刻になるなよ。または、頭にきたよ、でもリスクがあるのを知っていたよ。彼らは私を慰めようとするのです。奇妙なことに、多くの場合うまくいき、たまにうまくいかない。機会の商売といわれるゆえんです。我々がかけているのは自尊心で顧客がかけるのはお金です。必ずしも全ての顧客が私に失望したわけではないときは気持ちがいいものです。何かを得ることがわかる。次のものについてもっと気にかける。というのも次は正しくしたいからです。不幸なことにそれは、
50:50の可能性です。また、間違うかもしれません。(7)

  運動が大切です。妻は事務所に運動器具を置いています。(10 商品ファンド)

  やり過ごすだけです。実際以上に話題になります。私はただ唇を噛み、自分につぶやきます、そしてエピソードを経験することになります。それが人生です。(12)

  
この商売でのストレスは極めてリアルです。ストレスがこの商売で人が失敗する原因の大きな理由かもしれません。
・・・あまり自分を追い詰めないように。商売もそうです。たかがお金じゃないですか。夜帰宅するときは仕事を離れましょう。できるだけ忘れることです。この商売で休暇を取らない人をみます。それは大間違いです。(13)

 ストレスは間違いなくあります。誰かと話すために電話に出ると、高値,安値を扱いながら必ず時々市場がお留守になります。うまくいっているときは機嫌がよく、悪いときは不機嫌であればだれも寄って来ません。そんなのと付き合おうとは思いません。ですからできるだけ普通の態度でいるべきです。それがプロということだと思います。(14)



*成功したブローカーの特徴

  成功している人は業界のことに一所懸命な人。絶えず市場にいる人。彼らは市場を楽しみ、行動を楽しんでいます。市場を語らなければなりません。本当の情熱がなければ語ってはいけません。毎日新しいことを覚えなければなりません。私は15年以上この世界にいますが毎日学んでいます。いつも学ぶべき何かがあります。
・・・市場を当てる英雄になる必要はありません。見込み客には持っている全ての情報を与えればよいのです。謙虚であるべきです。市場についての語り方に気をつけてください。聡明に語ってください。何を語るかよく知るべきです。よく研究し、下調べし、多くの人に話し、ファンダメンタル的にどうなのか感触を得る。リスクと利益を正しく説明する必要があります。プロであるべきです。(4)

本当に成功するためには市場を愛するようにならなければなりません。ブローカー業務を商売として見ないで毎日行う何か楽しいことと見ています。毎日が新しい。何かが変わります。市場に身をささげている人が最も成功者です。市場や情報にどっぷり漬かり、彼らが理解したことで顧客が理解するのを手助けしてください。あなたはセールスマンであり、顧客のことを気にかけます。誠実であってください。書類仕事に気をつけてください。(7)

私はそれを三つの、I(アイ)と呼びます。
Integrity(誠実であること)
Intelligence(聡明であること)
Industrious(一所懸命働くこと)

彼らは誠実で、頭が良く、猛烈に働きます。私の前にもそういった人がいます。本当にそうだと思います。一所懸命に働く人は幸せになれます。
・・・そしてその反対に失敗するブローカーの特徴は、時間を空費する人です。自身を管理できません。彼らは犠牲者です。責任をとれません。自分に対しても他人に対しても忠実ではありません。努力しようとしません。この仕事はロケット工学ではありません。困難でもありませんし難しくもありません。もしあなたが誠実で、賢明で、順応性があれば成功します。完璧な成功ではないにせよ一所懸命働けば成功できます。(9)

先ずよく訓練され根気強いということ。次に方法を考案する。 方法とは3段階手順のこと。最初の電話で書類の送付。二回目で申込書の送付。三回目は結びの電話。(11 商品ファンド)

詩の一行が長い間私の脳裏にあります。それはテニソンのユリシーズからの引用です。“努力せよ、求めよ、見つけ出せ、そして決して屈するな”です。私はこのようにやってきました。これがこの商売で得た私の哲学です。成功するために努力をしました。長時間一所懸命に働きました。文字通り家族、時間いわゆる普通の生活をあきらめました。睡眠は昔も今も贅沢だと思います。仕事中毒で今も同じにやっています。気晴らしの方法は忘れました。大学の頃カード遊びを楽しんだものです。3年前、20年ぶりにそれをやったものです。
・・・自分を恃む、ということを小さい頃に教わりました。自分のために自分でないなら、誰が私のためにやってくれるでしょう。もし私自身のためだけに気を使わないのであれば、私は一体何者でしょうか。そして今でないなら、いつ。自分の足で立つことはよいことだと感じます。私の商売が伸びると物理的な報酬が私を満足させるでしょうし、何かよいことをすることになるかも知れません。(12)

あなたが単に注文取りなら注文取りなりのペイを受けるだけです。私が見てきたブローカーは付加価値を持っていました。それは、情報、取引技術、取引執行、何か有用なものを提供することでした。それらのものが一体になったもの。また成功した人というのは先物取引を100%彼らの推進力と考えています。家族を持てないという意味ではありません。多少楽しんではいけないということでもありません。商売それ自体が本当に推進力とならなければなりません。そのことをいつも気にかけろというつもりはありません。しかし9時に仕事に行き5時に帰宅するより重要なことです。自分の家族を最優先にすることはできます。家族を一番にして、仕事、取引、ブローカーであることが2番。ゴルフ、家族との休暇が上に来る。誰かが彼のために代わって取引をしないで、長期休暇を取る人で成功した人を私は知りません。決まって午後1時に帰宅する人で成功した人を見たことがありません。市場開始の15分前に来る人もダメです。義務を果たしてください。努力してください。顧客を見てください。顧客は取引します。リスクをかけます。5時までだって必要であれば事務所にいます。ブローカーは顧客と同じ努力をする義務を負っています。その努力というのは、あなたが情報の源になるということです。市場の開閉時に、必要があれば夜、週末でさえ顧客があなたに情報入手のために電話かけられると思えるかどうか。あなたは何時も臨戦態勢でなければなりません。(14)

新人として何時も働かなければいけません。朝から晩まで、毎日。医者のようにいつでも求めに応じなければなりません。なにせ人のお金を扱っているのですから。朝の2:30に取引が心配で電話かけてきたら応じるのが良いのです。一所懸命働くつもりがあるなら、いい生活をするのはやさしいですよ。(16)



*かって成功した(80年代)ブローカー(セールスマン)だが、現在は注文が出なく四苦八苦している人へ

よかったとき何をしていたかを考える。そしてそれをやってみる。多くの人は年を取り最高の成績のときに行ったことができなくなってしまう。もしその能力がなくなったのであれば何か他のことを考えないといけませんが、先ず成功していたときにしたことを試してみることです。(1)

先ず、自分自身の棚卸しを行います。いったい何が起こったか。90年代では市場が大きく変わりました。新しい科学工学、新しい専門用語、コンピュータの氾濫。それについていけない。大して難しいとは思いませんが、難しくてお手上げだ、と思う人もいます。でも結局仕事としては単純だと思います。低いところで買って高いところで売る。どんなに複雑になろうが洗練されようが私は気にしません。これら新しい材料が難しいなら新しい市場で起こっていることを学べばよいのです。・・・市場を動かすのは需要と供給です。だから基本は昔も今も変わっていません。
・・・成功するブローカーとそうでないブローカー、その違いは、成功するほうは彼らの顧客を知っていることです。そうであるから、たとえ仕事をやめてしまっても顧客との親交はなくなりません。(4)

 先ず、自分自身に何故成功したのかを問う必要があります。彼らが正しく行ったのはなにであったのか。彼ら自身だったのか、市場だったのか。市場がそうしたのであれば大半のブローカーは成功したはずです。ブローカーが理由なのであれば、顧客の扱いを知っていて、顧客の希望に合った付加価値のあるサーヴィスを提供し、長期に渡りうまくやっている人だと思います。ブローカーはなぜ成功したのかを考える必要があります。80年代はマーケットがよくて多くのブローカーが上手くいった。過去を振り返るのは、少し自己分析をしなければなりません。(5)

理由を探し出すこと。80年代の口座を見てみること。先ず、80年代に取引した人はもう取引していない、が一番目。2つ目、手数料のレートが下がったので、取引量が同枚数であったら当時の半分の収入になってしまう。そして商品ファンドの出現。商品ファンドのほうが投機取引より金儲けの手段としては多く利用されています。(9)



*その他

  問題が起きたとき助けてくれる人を見つけなさい。
  この商売で一番の敵は自分自身です。人間はなかなか自分の間違いを認めたがりません。この商売では間違いを進んで認めなければなりません。(1)

 〈同業の息子へのアドヴァイス〉

機会はいつもそこにある。賢くあれ。有能であれ。機会を利用できるように一所懸命働け。間違いにへこたれるな。間違いは仕事の一部だ。それはあらゆる商売にもいえる。昨日は終わったんだ。さあ、先物〈将来〉を取引だ。(1)


                                                 文責:玉手良明

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