先輩投資家の声

 小林 康宏 様(前編)


小林 康宏 様は2009年商品さきもの投資家応援ナビ「先輩投資家の声」にご登場いただきました先輩投資家です。

主な取引データ
取引歴  : 6年
取引手法 : オンライントレード
好きな銘柄: 金/砂糖
ご紹介いただきました商品取引員(商品先物取引業者):三菱商事フューチャーズ(株):http://mcfs.jp/

小林 康宏様(前編)の概要
1999年頃に先物取引のトレーダー達が研究を重ね、成功していく物語を読みました。それがきっかけで商品先物に興味を持つようになりました。
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Q1:先物取引に興味を持つようになったきっかけは何ですか。
A1:シンガポールで日経平均の先物などのセールスをやっていましたので、日本にJGB先物が上場された1985年ぐらいから、興味を持っていました。シンガポールには大阪証券取引所に日経先物が上場される前から日経平均の先物がありました。
ブラックマンデーの日、日経平均は20,000円していましたが、それがなんと10.000万円以下に強烈に落ちたときがあったのです。そのときにこれは安すぎると思ってすぐに買ったら大儲けして、それで先物が好きになりました。
商品先物に本当に興味を持つようになったのは、1991年に『マーケットの魔術師』を読んだことがきっかけです。マイケル・マーカスやブルース・コフナーなどが最初は苦労していますが、ある日突然儲かるようになっていきます。こんなすごい世界があるのだなと知って、先物についていろいろと研究するようになりました。

Q2:日本の商品先物取引にはどのような特性がありますか。
A2:日本の商品は、CMEで取引するよりも一次元難しい。なぜかというと、為替が影響するからです。日本で金を取引するというのは円金ということなのです。金に為替のレートを掛けないといけないので日本の商品というのは難しいと思います。

Q3:日本の商品先物業界の現状についてどのようなことを感じていますか。
A3:日本の商品先物取引所は日本がもっと力があったときに、プラチナやゴムにもっと力を入れて、実需を伴った戦略展開をしていけばよかったと思うのです。日本は自動車産業が強いのですから、商社関係の方がどんどん使うようにし向けていたら、もっと繁栄したと思うのですが、投機の世界だけで行っていたのが衰退した大きな原因だと思います。

Q4:商品先物取引を行うのには今がチャンスだと考える理由は何ですか。
A4:商品のトレンドが「スーパーサイクル」に入ったと思うからです。「スーパーサイクル」とはおよそ20年続いて、その後20年ぐらいは下落のトレンドに入ります。良い例が1980年にソ連がアフガニスタンに侵入したときに金や銀が、イスラム革命は1979年ですが、石油が大暴騰していますね。そこで天井を打ってその後20年間商品はずっと右下がりでした。2001年の9.11ぐらいまでは。そこからまた次の「スーパーサイクル」が始まって現在まで続いています。注目していただきたいのは「ミッドサイクルブレイク」という途中での急落が起こっていることです。今まで商品を買ってきた方はボロボロにやられていたと思いますが、それが「ミッドサイクルブレイク」の下げです。そこからはまた新たな上昇に入っている。
為替について述べますと、世界の中央銀行には「通貨の購買力維持」という政策があるのですが、それを無視して景気を支えることだけに集中しています。それを考えると通貨よりも発行量の少ない商品を持っていた方が有利になるのではと商品取引は今良いチャンスではないかという感じがします。

Q5:投資先として商品先物取引を選ぶ魅力はどこにあるのでしょう。
A5:私が今、なぜ商品を勧めるかというと、それは政府の政策がうまくいかずツケを国民に回している状況だと感じているからです。お金を持っていても、わかりやすくいえば今日10,000円持っていたら、2年後には5,000円の価値になる可能性があるということです。商品の場合は発行量が限られているので、政府が供給したくても量は限られます。だから商品をやった方が有利になるのではないかと思うのです。私としては政府の政策がうまくいかないので、商品をやったほうがいいという結論に達しますね。

Q6:商品先物取引は投資としてどんな点が優位ですか。
A6:無利子で約20倍(注:預け入れた証拠金に対する倍率が20倍ということ)貸してくれるという世界はある意味ではないと思います。ジョージ・ソロスが言った有名な言葉に「私が何でこんなに大金持ちになれたかというと、ギアリング(=レバレッジ)を使ったからだ」というのがあります。裏返してみればこんなに恐い話はないわけです。シロウトがギアリングを使うと、家や田畑を失う可能性もあるわけですから、余裕資金で取引することが良いと思います。

Q7:商品先物取引を行うときに気をつけることはありますか。
A7:証拠金のことは考えずに、1枚の丸代金が290万円でしたら290万円の取引をしていると思うべきです。10枚くらい取引する人が多いですが、それは2,900万円賭けているということです。ゼロになることはないですが、2,900万円が半分になる可能性があることを考えて取引することです。

Q8:レバレッジを意識するにはどのようにしたらよいのでしょう。
A8:ギアリング(=レバレッジ)は実際に賭けている金額を基準に考えるべきです。その人の資質もありますが、儲けようと思うならよりリスクが高いことを意識するべきです。商品先物取引は、言ってみればオートバイで走っているようなものです。クルマにはエアバックなどがついていますが、オートバイでは大きくぶつかったら死ぬわけですね。ギアリング(=レバレッジ)を使うことは防備もなく運転しているようなものだということを感じて取引してほしいですね。



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