改正商品取引所法のポイント
商品取引所法改正の背景
近年、日本経済は低迷を続けており、政府はその対策として、規制緩和などによる経済構造改革を進めています。経済構造改革により、経済の活性化が期待できますが、その半面、企業や個人は今後、政府の保護ではなく、自らの知恵と責任で業績や財産を確保していかなければなりません。商品の価格変動リスクから企業経営を守り、また、積極的な資産運用の手段でもある商品先物取引の普及が求められる時代になってきたのです。  
法改正の主な内容
顧客資産の保全制度の拡充
「証拠金※」は清算機関で保全
取引を行うために預託する「証拠金」は、商品取引所法で規定する清算機関である「株式会社日本商品清算機構(JCCH)」で保全されます。清算機関の業務は、主務大臣の許可に基づいて行われます。
※取引の履行を担保するために預託する資金
委託者保護基金の創設
商品取引所法で許可された商品取引会社(「商品取引員」という)の顧客(「委託者」という)が預託した証拠金は、清算機関で保全されるなどの保全措置が講じられていますので、万一、商品取引員が経営破たんしても、顧客の財産は保全される制度になっています。また、不測の事態に備え、清算機関預託分等で不足する額について、一顧客あたり1千万円を限度に、商品取引所法に基づく「日本商品委託者保護基金」が補償を行います。
 
商品取引員に対する規制の見直し
財務要件の厳格化
商品取引員の健全な財務基盤を確保するため、各取引員ごとに、取引の量に伴うリスクに対応した純資産を保有することが義務付けられました(純資産額規制比率)。
勧誘行為等の適正化
顧客トラブルを防止するため、商品取引員が勧誘を行うに際して、商品先物取引の仕組み・リスクを顧客に事前説明することを義務付け、また、顧客の知識、経験及び財産の状況に照らして不適切な勧誘を行うことのないよう規制が強化されました。
 
市場の信頼性・利便性の向上
グローバルスタンダードの清算制度
先物市場においては、未決済の買い注文や売り注文について、その計算上の損益を毎日、清算(クリアリング)しています。法改正により、欧米と同じように、独立した清算機関(クリアリングハウス)の設立が認められましたので、海外の企業や投資家も安心して日本の商品先物市場を利用しやすくなりました。
商品取引所の会員資格要件の緩和
商品取引所の会員になれるのは、これまでは上場商品の生産・販売業者等に限定されていましたが、上場商品のユーザー業者も会員になれるようになりました。
 
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