|
A1
|
主要なものとしては以下のようなものがあり、世界各国の行政機関等が発表しています。中でも米国農務省(USDA)から発表されるデータは世界中から注目を集めています。
主な情報と発表主体
|
(1)在庫状況
|
米国農務省(USDA)
|
(2)作付面積
|
米国農務省
|
(3)生産量
|
米国農務省、国際連合食糧農業機関(FAO)、米国穀物協会(USGC)、国際穀物理事会(IGC)
|
(4)消費量
|
米国農務省
|
(5)輸出入量
|
米国農務省、米国穀物協会、中華人民共和国農業部
|
(6)天候状況
|
米国農務省、米国海洋大気庁(NOAA)、米国国立気象局(NWS)、世界気象機関(WMO)
|
|
|
|
A2
|
米国の農業政策を所管する機関で正式名は"United States Department of Agriculture"といいます。
農務省から発表されるデータは以下のような理由で世界中から注目されています。

注目される理由
(1)
|
米国農務省から発表されるデータとしての信頼性が高く評価されている。
|
(2)
|
情報量の多さと迅速性に優れている。
|
(3)
|
価格動向を左右する指標となる。
|
注目している人たち
農作物の生産者
|
発表されるデータをもとにして、農産物をどれだけ生産すれば需要に見合い生産物がきちんと売れるのかを予測するのに活用しています。
|
農産物加工業者や輸出入業者
|
将来の価格予測をする際に有用な手掛かりとしてしています。
農産物価格の動向を予想する際の材料の一つにしています。
|
商品投資を行う人たち
|
|
|
|
|
|
A4
|
 が注目されています。
米国内から海外に輸出される穀物量に関する情報、その中でも「輸出成約高」「輸出検証高」は、米国内の穀物在庫の減少要因となることから注目されています。
また、全米各州の天候・土壌水分などの穀物の生育状況に影響を与える情報も注目されています。
輸出や天候に関する情報
|
名称
|
発表主体
|
発表日
|
集計期間
|
データの特徴
|
(1)輸出成約高
|
USDA
|
毎週木曜
|
前週木曜までの1週間分
|
米国の輸出業者には輸出成約に係る報告義務が課されています。仕向地別や新規契約量、キャンセル量、成約残高などが分かります。
|
(2)輸出検証高
|
USDA
|
毎週月曜
|
前週木曜までの1週間分
|
仕向地別や船積地域別等に発表されるので、輸出量や現物市場の動向把握に活用されます。
|
(3)週間天候
|
USDA及び米国海洋大気庁(NOAA)
|
毎週火曜
|
前週日曜から土曜までの1週間分
|
全米各州の前週までの天候推移や日照時間、土壌水分や気温などの穀物の生育環境に関する情報が発表されます。
穀倉地帯の天候の良し悪しは、穀物生産量を左右するので注意が必要です。
|
|
|
|
|
|
A6
|
@
|
TOCOM農産物アナリストとは(株)東京商品取引所(英文名:Tokyo Commodity Exchange, 略称TOCOM)が実施した「農産物アナリスト育成セミナー」修了者で、農産物需給を分析する専門家です。
|
A
|
事前予想とは、TOCOM農産物アナリストがUSDA発表より先行して独自に公表した予想値です。
|
|
|
|
A7
|
民間の事前予想とUSDA発表データとの間に大きなかい離があると、農産物市場の価格変動に大きなインパクトを与える場合があります。
|
|
様々な民間組織・会社などにより事前予測が公表され、徐々にコンセンサスが形成されていきます。
その後USDAから各指標の発表があるのですが、このとき民間の事前予想とUSDA発表データとの間に大きなかい離があると、農産物市場の価格変動に大きなインパクトを与える場合があります。
|
|
|
A8
|
価格変動要因には様々なものがありますが、需給に関する要因には概ね次のようなものがあります。
|
|
|
|
|
A9
|
TOCOMで取引されるとうもろこしや大豆の主な価格変動要因には、以下のようなものがあります。
|
|
TOCOMとうもろこしや大豆の主な価格変動要因
|
@為替要因
|
とうもろこしや大豆の国際取引はドル建てで行われるため、ドル高になるととうもろこし・大豆の価格上昇要因となります。
|
A国内需要
|

日本のとうもろこしはほぼ100%輸入に依存しており、世界一の輸入国です。
飼料用、食用(ビール発行原料等)や工業用途(段ボール等)として消費されています。

製油用、食料用、飼料用として消費されています。
|
B海上運賃
|
日本は、とうもろこしや大豆を輸入に依存しているので、海上運賃上昇はTOCOMとうもろこし・大豆の価格の上昇要因となります。
|
C市場内部要因
|
投資家の売買動向も相場に影響を与えます。
|
|
CBOTの価格はTOCOM価格に大きな影響を与えます。
日本が米国からとうもろこしや大豆を輸入する際の換算式は以下の通りです。
(CBOT価格+海上運賃)×トン換算×為替換算×CIF係数
CIF係数:Cost, Insurance, Freight(輸入関税や通関手数料等の貨物を船に乗せるまでの費用、保険、運賃)として1.05を乗じる。
|
|
|
|
A10
|
ブッシェル(bushel:記号bu)とは、アメリカで穀物の容積を測定するための単位です。
米国で用いられている「ウィンチェスター・ブッシェル」と」英国で用いられている「インペリアル・ブッシェル」があり、互いに容積が異なります。
ブッシェル(ウィンチェスター・ブッシェル)
|
とうもろこし
|
1bu≒25.4012kg
|
1トン≒39.367bu
|
大豆
|
1bu≒27.2kg
|
1トン≒36.744bu
|
|
|
エーカー(acre:記号ac)は、アメリカやイギリスで土地の面積を示す際に用いる単位のことです。 acをuやa(アール)、ha(ヘクタール)に換算しますと下記のようになります。
エーカー
|
1ac≒4046.8u
|
1u≒0.000247ac
|
1ac≒40.468a
|
1a≒0.0247ac
|
1ac≒0.40468ha
|
1ha≒2.47ac
|
|
|
|
A11
|
天候相場期とは、生産地の天候の動向が価格形成に強い影響を与える作付けから収穫までの期間を呼びます。米国では4月〜9月がこの時期にあたり、降雨量や気温次第で価格が大きく変化します。需給相場期は10月〜3月で、在庫の取り崩しが価格を動かします。
|
|
天候が生産量に与える影響
|
生産量が増加する要因
|
生産量が減少する要因
|
5月〜6月
|
:適度な降雨と適度な気温
|
7月
|
:定期的な降雨と適度な気温
|
8月〜9月
|
:十分な降雨の後、暖かい晴天が続くこと
|
|
4月〜5月
|
:長雨、低温
|
6月
|
:高温と乾燥の継続
|
8月〜9月
|
:雨不足、多雨、高温、低温
|
|
|
|
|
A12
|
農林水産省がUSDA、FAO、IGC等から発表された資料を日本語で整理、分析した上で公表しています。
|
|
農林水産省から公表されている農産物需給に関する主な資料
|
|
|
|