国際生糸
■商品特性
(1)今日、世界の生糸貿易は決済通貨として米ドルを使用しています。この国際的な流れに合わせて、取引価格、決済通貨、取引に必要な資金などすべてを米ドルで行うことが可能な商品として、日本のドル建て国際生糸の取引は上場されました。
 直接ドルで取引が可能なために、海外の業者等にとっては為替リスクや両替等の手間が省かれ、市場に参加しやすくなりました。また、国内の投資家の立場からすると生糸相場と為替相場の2つのリターンを同時に追求が可能な取引であるため、魅力的な商品と考えられます。
 生糸の生産量、消費量、主要生産国の天候要因、世界の政治経済情勢などが価格の変動要因となりますが、他にドル建て市場のために、為替変動の要因が大きく影響する取引です。
国際生糸の取引対象は、海外で流通する生糸で、現物の受渡しは海外(香港特別行政区、大韓民国釜山市の海外指定倉庫、または国内の保税倉庫含む)にて行なわれます。

(2)生産動向=これまでの養蚕は、アジアの温帯地域に限られていましたが、技術の進歩により、熱帯地域でも良質な繭生産が可能となりました。
 現在は、生産量の多いとして中国・インドのほかに、ウズベキスタン・タイ・ブラジルなどが主要な生産国となっています。毎年、世界では約65万トンの繭が生産され、ここから6万トンの生糸が製造されます。

 
世界の生糸生産高 (単位:トン)※推定値
国 名 1997年 1998年 1999年
中 国 599,300 673,600 633,700
インド 234,100 237,700 232,400
ブラジル 35,300 30,300 25,900
タ イ 17,300 17,900 19,700
ウズベキスタン 19,100 18,700 17,300
ベトナム 13,900 14,400 13,000
日 本 31,700 18,500 10,800
北朝鮮 3,300 2,500 2,500
その他 16,200 15,000 14,900
合計 970,700 1,029,100 970,600
出所 :農畜産業振興機構「世界の繭・生糸生産高」2003.10

 

■変動要因
主要生産国の天候=中国、ブラジル、インド等の干ばつ、洪水、霜、病虫害等
主要国の生産動向=中国やブラジルの生糸輸出政策の動向やコスト
主要生産国の輸出価格動向=対外貿易の動向など
消費国の経済状況=日本、中国などの生糸需要、経済成長率
日本国内の投資家等は、対ドルの為替変動リスクなどを考える必要があります。
最大の生糸の生産国であり、消費国である中国の沿岸地域の経済発展やブラジルなど南米諸国の通貨変動などは、生糸の輸出量を考える上では、注目する材料となります。
←戻る  

サイトマップ  プライバシーポリシー  免責事項

 

Copyright (C) 2000~2004 JAPAN COMMODITY FUTURES INDUSTRY ASSOCIATION. All Rights Reserved.