■商品特性 |
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灯油は主に家庭用暖房のための燃料として利用されています。このため需要は大半が冬場に集中し、夏場は備蓄用として生産しています。
JIS規格により精製度から1号、2号灯油と区別されます。1号灯油は白灯油と呼ばれ、燃えたときに煙やススが出ない特徴があります。2号灯油は発動機や洗剤として使用される灯油で、茶灯油とも呼びます。
灯油の流通経路は、民生用と産業用に分けられます。民間用の需要量が75%を占めています。民生用は流通経路が多岐にわたり、元売りの直売の他に販売業者を経て小売業者に流れるものもあります。小売ではガソリンスタンドが40%前後の販売量を占めていますが、他に燃料商や酒屋、米穀店、雑貨屋、農協などでも販売している所があります。
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生産動向 @ 平成24年〜平成26年 灯油の需給動向 (単位:1,000Kl)
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供給 |
需要 |
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年初在庫 |
生産 |
輸入 |
その他供給 |
国内向販売 |
輸出 |
その他需要 |
年末在庫 |
平成24年 |
2,723 |
18,779 |
1,188 |
510 |
19,939 |
145 |
813 |
2,303 |
平成25年 |
2,303 |
18,053 |
1,293 |
281 |
18,010 |
553 |
640 |
2,727 |
平成26年 |
2,727 |
16,831 |
1,144 |
249 |
17,214 |
662 |
609 |
2,466 |
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出所 |
:経済産業省資源エネルギー庁「資源・エネルギー統計年報(石油)」平成24〜平成26年版 |
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A 平成21年〜平成26年 四半期ごとの国内灯油販売量 (単位:1,000Kl)

出所:経済産業省資源エネルギー庁「資源・エネルギー統計年報(石油)」平成21〜26年
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■変動要因 |
天候リスクの大きな季節商品の典型といえる灯油です。
灯油の民生用の需要のほとんどは冬の暖房用器具の燃料として使用されます。このため、冬場の需要を見越して秋口ころからの在庫動向を注意する必要があります。夏場は、暖房用の機材をほとんど使用しないため、灯油の需要はほとんどありません。冬と夏の需要格差は約5倍あるとされており、このため、原油価格の動向に注目が集まります。
他に、中国の経済発展から今後の需要が増加すると予想されているようです。 |
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