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商品先物取引の実際例
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取引の具体例を見てみましょう。
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300万円の投資可能資金(余裕資金)があるので、その3分の1の100万円で取引をすることにしました。商品取引会社の登録外務員から「受託契約準則」「商品先物取引 委託のガイド」を受け取り、詳しく説明を聞き、「約諾書」「通知書」に記入、「金」を取引することにしました。取引に必要な委託本証拠金の額は、毎月、商品取引所が定めており、今月は1枚45,000円です。100万円の半分の50万円で始めることとし、11枚分の委託本証拠金495,000円を預託し、成り行きで11枚、新規の買い注文を出しました。 |
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● |
「金」1g 988円で11枚買いが成立しました。 |
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● |
その後、金の価格が1g 963円に値下がりしました。
11枚分の取引の計算上の損(値洗い損)は、
現在値 |
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買値 |
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1gあたりの値洗い損 |
963円 |
− |
988円 |
= |
▲25円
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1gあたりの値洗い損 |
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倍率 |
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1枚あたりの値洗い損 |
▲25円 |
× |
1,000倍 |
= |
▲25,000円 |
1枚あたりの値洗い損 |
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取引数量 |
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11枚の損計算額 |
▲25,000円 |
× |
11枚 |
= |
▲275,000円 |
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となります。
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● |
この取引を手仕舞い(転売して取引を終了すること)せずに続けるのであれば、損計算額が委託本証拠金495,000円の半額247,500円を超えているので、247,500円の委託追証拠金を預託しなければなりません。 |
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● |
一方、取引を手仕舞いするのであれば「仕切りの売り注文」を出して反対売買により決済します。(決済するのであれば、委託追証拠金を預託する必要はありません。)
仕切りの売り注文が1g 961円で成立しました。
このときの損金は、次のように計算されます。
売値 |
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買値 |
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1gあたりの差損 |
961円 |
− |
988円 |
= |
▲27円
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1gあたりの差損 |
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倍率 |
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1枚あたりの差損 |
▲27円 |
× |
1,000倍 |
= |
▲27,000円 |
1枚あたりの差損 |
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取引数量 |
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売買差損 |
▲27,000円 |
× |
11枚 |
= |
▲297,000円 |
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*11枚分の委託手数料は |
新規 |
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仕切り |
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取引数量 |
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往復手数料 |
(4,500円 |
+ |
4,500円) |
× |
11枚 |
= |
99,000円 |
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*委託手数料に係る消費税は |
新規分手数料 |
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税率 |
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仕切分手数料 |
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税率 |
|
消費税 |
(4,500円
× |
11枚 |
×
0.05) |
+ |
(4,500円
× |
11枚 |
×
0.05) |
= |
4,950円 |
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*実質的な損金は |
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売買差損 |
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往復手数料 |
|
消費税 |
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損金額 |
▲297,000円 |
− |
99,000円 |
− |
4,950円 |
= |
▲400,950円 |
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●
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値上がりしたときに決済したらどうなるでしょう。
仕切り売り注文が1g 1,032円で成立しました。
このときの益金は、次のように計算されます。
売値 |
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買値 |
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1gあたりの値洗い損 |
1,032円 |
− |
988円 |
= |
44円
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1gあたりの差益 |
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倍率 |
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1枚あたりの差益 |
44円 |
× |
1,000倍 |
= |
44,000円 |
1枚あたりの差益 |
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取引数量 |
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売買差益 |
44,000円 |
× |
11枚 |
= |
484,000円 |
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|
*11枚分の委託手数料は |
新規 |
|
仕切り |
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取引数量 |
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往復手数料 |
(4,500円 |
+ |
5,200円) |
× |
11枚 |
= |
106,700円 |
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*委託手数料に係る消費税は |
新規分手数料 |
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税率 |
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仕切分手数料 |
|
税率 |
|
消費税 |
(4,500円
× |
11枚 |
×
0.05) |
+ |
(5,200円
× |
11枚 |
×
0.05) |
= |
5,335円 |
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*実質的な利益金は |
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売買差損 |
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往復手数料 |
|
消費税 |
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益金額 |
484,000円 |
− |
106,700円 |
− |
5,335円 |
= |
371,965円 |
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[商品先物取引の取引単位]
株の取引はすべて1株あたりの値が決められ、取引単位は額面によって1株であったり千株であったりと異なります。これに対して商品先物取引では、商品ごとに値決めをする単位が異なり、取引単位も商品によって違っています。
金の場合で言えば、値決めの単位は1gで、取引単位(1枚といいます)は1kgです。ですから、1g
988円であれば1枚の取引で1kg 988,000円の金を取り引きすることになり、この例では11kgの金を10,868,000円で買ったことになります。
そして、市場の値段が1円動けば1枚ではその1000倍の1,000円、10円動けば1万円の値動きがあったことになります。
他の商品も、別表のとおり、それぞれ値決め単位と取引単位が異なっていますので、注意して下さい。
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