(1) 資産の分散投資が大事
商品先物取引は、売りと買いとでは損益が全く逆になりますし、値段も頻繁に、また大きく上下することもまれではありません。したがって、常に利益と損失が背中合わせにあるハイリスクの取引であることを忘れてはいけません。また、商品先物取引は6カ月先、1年先の期限のものまであり、数日や数週間で結果を求めるものでもありません。自分の思惑(投資判断・相場の予測)がうまくいけばいいのですが、もしはずれれば、数日のうちに損切り(損失をだして取引を終了)したり、追加資金が必要になったりもします。資産運用では、資金がなくなってしまえば投資ができないことは明らかです。ですから、商品先物取引で資産運用するときには、資金の分散投資を第一に考えなくてはなりません。投資資金の全てを商品先物取引にあてるなどということは非常にリスキーだということを心得ておいて下さい。
(2) 上手に損をすること
全ての取引で利益を上げることなど絶対不可能だということは、誰でもわかります。このことを十分に理解してリスク管理をきちんとやれば、ハイリスクだからといっていたずらにおそれることはありません。しかし実際は、損を少しでも減らそう、少しでも取り戻そうという心理から、無理をしてしまうケースが少なくありません。その結果、さらに事態を悪くしたとしても他人のせいにはできません。商品先物取引は、「誰々がいいと言っていたから」とか「営業マンが薦めたから」取引をするものではなく、大事な自分のお金を運用するのですから、他人まかせにせず自分の責任で行うべきものだからです。
まず、しっかりした資金計画を立て、損が出たらどうするか、いくらの損になったらどうするか、利が乗ったらどうするかといった自分なりのルールを決めて、これをきちんと実行すること。これが、リスク管理なのです。
(3) 損計算になっても、委託本証拠金の範囲で納まるのですか?
商品先物取引では、価格が変動して(買ったときは値下がりして、また売っているときは値上がりしたことによって)計算上の損失が委託本証拠金の1/2を超えたときには、追加の証拠金を預託しなければ取引を続けることができませんが、このときに取引を手仕舞い(反対売買)すれば、損失は概ね当初預託した委託本証拠金の範囲で済みます。ただし、自動的に手仕舞いされるわけではありませんので、損益の状況やご資金の事情等を考慮され、取引をどうするか(手仕舞いするのか、続けるのか)をご自身でお決めいただかなくてはなりません。
なお、相場の急激な変動でストップ値(1日の価格変動の制限値段)が付いているときなどには手仕舞いができないこともあり、その場合には損失が委託本証拠金の額を超えてしまうことも全くないとはいえません。
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