6.未来への誓い

銀座にある、2人馴染みのバー。


中島と秋田は、いつものように、お互いの近況を語り合う。

「ところで、中島よ、仕事の方は順調か」
「ああ、中国を中心にプラチナジュエリーの輸出を少しずつ始めたところだ。まだ始めたばかりなんだが、評判は上々らしい。まあ、最低でも1年は続けてみないとはっきりしたことはいえないがな」
「それは良かった。もっと輸出量が増えて山梨の職人たちが元気になるのがお前の望みやろ」
「ああ、そうだ。そのためにはまだまだ色々やることはある。お前の知恵を借りることもあると思うが、その時はよろしく頼む」
「任せとけ。毎月の輸出量がコンスタントに増えていけば俺にも考えようがある。今のお前の会社の使用量では現時点で先物市場を使うメリットはコスト面からも割りに合わん部分がある」
「そうみたいだな」
「でも、実際に宝飾メーカーでも先物市場を使っているところがあるし、貴金属の調達価格なんかは結果論かもしれんが、もの凄い価格競争力があるもんや」

長谷部との会話を思い出しながら秋田は中島に言ったのだった。

「秋田に仕事を頼む日がくることを俺は心から願っている」
「おお、俺も親友としてお前の仕事の手伝いをできる日を心から楽しみにしてる。そんな日が来ることを誓って乾杯じゃ!!」
「おお、乾杯!!」