

1.乱高下とヘッジ
2.納会
3.受渡し
4.仕入れ
5.寒波到来
6.ガソリンスタンド
7.競争激化
8.元売り参入
7.競争激化
「そうか、ガソリンが高値で売れないという中、かなりの健闘だな。顧客はそれだけ価格に敏感なんだな」
「そうですね。灯油は寒波の影響で前年比15%アップです」
「それはありがたい。ただ、気温に左右されやすい灯油販売は“水物”なので油断は禁物だぞ」
「今年は寒波が続いて欲しいな。うちが灯油の安値販売をしていることと、寒波の両方がプラスに左右しているようですね」
「渡辺課長、うちに対抗して近所のセルフがまた値下げです」
「いくらだ」
「リッター2円です」
「まったく、イタチごっこだな」
「まだ目立った売り上げの減少はないですが、時間の問題かもしれません」
「そうだな。対応策を検討してまた連絡する」
「競合店が値下げしている以上、販売のマージンが減ってもうちも値下げせざるを得ないだろうな」
「そうですね。やはり値下げするべきでしょう」
「渡辺、値引きしても先方はまた対抗下げしてくるのじゃないのか」
「その可能性はあります」
「うちはセルフじゃないから、先方と同値か、1〜2円高い水準なら、消費者も納得するんじゃないか」
「ええ、ただ油外販売が伸びない現状では、既存顧客は取り込んでおきたいところですね」
「じゃあ、今後は値下げは小出しにやるか」
「とりあえず、1円値下げしますか」
「それでいこう」
「では、倉島君へ連絡します。さっそく明日から対応してもらいます」
「いや、明日からじゃなく今日からだ。俺は明日、新店舗の建設予定地を視察に行ってくる」
「よろしくお願いします」
「それにガソリンスタンドは飲食店とは違い、どこでも販売しているものは同じだろ。価格とサービス勝負だからな」
「やはり店舗は大型で清潔、入りやすくて、店員の応対がていねいなら固定客がつきやすいですね」