

1.乱高下とヘッジ
2.納会
3.受渡し
4.仕入れ
5.寒波到来
6.ガソリンスタンド
7.競争激化
8.元売り参入
8.元売り参入
「ああ、新聞で読んだよ」
「石油業界の人間として、何かコメントをいただけませんか」
「教科書的なコメントだけど、市場の公平性や透明性が高まるってことでしょ。先物市場にはいいニュースだね」
「そりゃそうでしょう。取引所も当業者の利便性を図るために最近では値幅制限の拡大や建玉制限の緩和などを実施していて、それが元売りの参加を招いたということでしょ」
「それと、先物市場の価格の指標性も一段と高まるしね」
「みんなが注目するようになると、他の元売りや当業者も参入してくるでしょう」
「逆に実勢よりも安く買える機会が減るようだと困るんじゃないですか」
「それは大丈夫じゃないか。元売りの参入で市場への参加者も増え取引量も上向くだろう。とはいっても、原油相場に振り回されて製品価格が乱高下する場面が減るとは思えないけどな」
「確かにそうですね。NY(ニューヨーク)原油にしても、出来高や取組高が増えるとともにボラティリティ(変動率)も高まって、値動きが荒っぽくなっていますからね」
「NY原油はファンドや年金資金なども入って取引は活発なようだね。出来高が50万枚なんて普通みたいだしね」
「国際指標のNY原油が荒っぽい値動きをするということは、その動きが日本市場へも波及するってことでしょ」
「だから国内市場の乱高下もなくならないわけだ」
「なるほど。そういうことですね」
「元売りの参入で、受渡しなども活発になりますかね」
「なるでしょう。でも、今でも受渡しはかなり活発だよ」
「そういえば、受渡枚数は結構多いようですね」
「“結構”じゃなくて“かなり”多いよ。確かに以前に比べて売買が減っているけれど、受渡しには活用されているよ」
「そうなんですか?」
「受渡枚数も月間数百枚から、多いときは2,000枚(2万キロリットル)を超えるからね」
「2,000枚の受渡しなんてあるのですか」
「あるある」
「そうなんですか」
「ただ、灯油は季節物だからどうしても冬場の受渡しのほうが多いけどね」
「確かにそうでしょうね」
「まあ、今後さらに商いが活発になって、受渡しも増加することを期待しよう」